私的テレビ大賞2016

最優秀新番組賞:「キングちゃん」
最優秀作品賞:「フリースタイルダンジョン・モンスターズウォー」
最優秀番組賞:「ナカイの窓
年度代表番組:「水曜日のダウンタウン」(2連覇)

 

  • 新番組賞は月曜深夜を盛り上げた「キングちゃん」と「万年B組ヒムケン先生」。前者は関西で失われていったお笑いバラエティーロケの真髄を関東の真夜中にて狼煙を挙げてたり、後者は「B組」という名の常識でくくれない市井の若者たちを優しく見守る?…見守ろうとしている日村・小峠・小宮各先生の辣腕ぶりが光った。「ご本、出しときますね?」の知を刺激する番組も素晴らしい。とりあえず関西バラエティーへの思い入れの差で。
  • 作品賞(特番など)も「フリースタイルダンジョン・モンスターウォー」「芸人キャノンボール」の一騎打ちの様相。ネットが1番「地上波」に近づけた前者はこれを最大のピークととらえるか、更なる次のピークの予兆と見るかで評価は分かれそう。後者は考えられる限り1番「ネット」と四つ相撲を試みたというイメージがする。「香川照之の昆虫すごいぜ!」はEテレの良い「奇妙さ」が振りまぶされた教養ある怪作として、「古舘トーキングヒストリー」も結論はアレだったが、それでも「古舘伊知郎×忠臣蔵」の心意気は買うべきですな。
  • 番組賞(番組の企画重視)では、「マツコの知らない世界」「クレイジージャーニー」「全力!脱力タイムズ」など様々な意欲的番組の中で、「ハワイSP」での軽い一言を炎上物件にしたてようとした一部ネットメディアを痛烈に皮肉った「陣内ありえへんSP」をぶっ放したり、中野のキャバ嬢を平気でゲストに招聘した「春日を知る人SP」や、ゲストそのものを主題とした「覆面の窓」「キャスティングの窓」など攻めた企画盛りだくさんの「ナカイの窓」に軍配を上げてみた。
  • 年度代表番組は、言わずもがなの「水曜日のダウンタウン」の2連覇。継続のためのありがたい口実ことギャラクシー賞も一昨年得ているので、来年も押忍押忍押忍押忍~精神で。

 

新人賞:滝沢カレン
助演男優賞ピーマンズスタンダード吉田寛南川聡史)とシステマ
助演女優賞小池美由
主演男優賞:千鳥(大悟・ノブ)
主演女優賞:該当者なし
(特別賞:フジ西山喜久恵アナ)
MVP:有田哲平くりぃむしちゅー

 

  • 新人賞は、今やピンでは国民的アイドルとなった比嘉さんことりゅうちぇるとんねるずのおかげでしたかは別として*2ウドちゃん以来の浅井企画の大物になりつつあるANZEN漫才のみやぞん、ナベプロ勢から平野ノラ・サンシャイン池崎など多士済々だが、「じわじわチャップリン」でのアクが浮く審査から一気に「全力!脱力タイムズ」で個性が過ぎるフリースタイルナレーションを確立した滝沢カレンを選んでみた。
  • 助演男優賞は、言わずもがなのR-1覇者ハリウッドザコシショウ、「キングちゃん」でうら寂れたコントゴーレムと化したアルコ&ピース平子と知らぬ間に川崎のラッパーになったアルコ&ピース酒井ちゃん、昨年の勢いと元カノのセクスィ女優転向で更なる新境地を開いたバイきんぐ小峠、頑固者で老いた下町の玉三郎と見せかけて、実は場の空気を読んでしっかりケツバットを受けてくれる梅沢富美男などを候補にしたが、今年1年のテレビ演芸で最大の衝撃と旋風を巻き起こした「システマ」のピーマンズスタンダードに決定。
  • 助演女優賞は、アイドリング!!!卒業からずっとバカリズムの手綱をしっかり握りつつもバナナマンの新たなる手綱を得るようになった朝日奈央、あらゆる場面でスベり知らずの大活躍をしていた鈴木奈々、「マスカットナイト」のどんぐり番長こと夏目花実の若頭力、乃木坂46の「顔デカイからや!」枠からインテリ才女枠にしっかりリクルートした秋元真夏など人材豊富な年だったが、それでも「ゴッドタン」「旅ずきんちゃん」での小池の大車輪ぶりが1番目立っていたので。
  • 主演男優賞は、みんなご存知バナナマン、社会派番組MCを務めつつも2度ベッキーに叱られたゴシップの鬼・東野幸治、しっかりゴールデン帯に根付き始めたブラックマヨネーズ、一挙一動一言全てを笑いに変換してきた出川哲朗など従来に変わらない今年の大活躍ぶりだったが、それでも「いろはに千鳥」から国民的人気者への出世双六が本当に八面六臂が止まらなくなってきた千鳥が今年の主演に相応しい。
  • 一方(主に女子アナが獲ってきた)主演女優賞は当面不作のイメージ。ヒルナンデス!の水卜ちゃん、ノンストップ!のヤマサキさん、モヤさまを卒業された狩野さん、フリーに転身したセントフォースの川田さんに松竹芸能の上田さんと、人材は多いのだけど、今年を象徴する圧倒的な活躍は残念ながらという域なので該当者なしで。来年この中から、この中でなくても誰かが突き抜けた活躍を祈ってます。
  • 特別賞は、フジテレビの歴史が続いていけば確実に残っていくスマスマでのセレモニーに2回看取る役割をせざるを得なかった西山の喜久ちゃんに差し上げたいです。大変な役目お疲れ様でした。
  • MVPは、芸人としても裏方ブレーンとして今年のテレビ界で一番光り輝いていたピョンスの相方ことアリペイで。今年も他の誰もが打てない「次の1手」を仕掛けてくる唯一の人物かもしれない。いや他に出てくればそれはそれでありがたいけど。