2019年私的購読マンガベスト10
・第10位…「水は海に向かって流れる」(KCデラックス):水は高きより低きに流れ、奇妙な住人の奇妙な同居も向田邦子的家族の業なるものに向かってゆく、でいいのかな?
・第9位…「かげきしょうじょ!!」(花とゆめCOMICS):背の高いドジっ子主人公が文化祭のオーディションに受かった掲示板を見つめていたとき、物語は一段上に高く美しく成長していた。
・第8位…「さよなら私のクラマー」(講談社コミックス):「今年に入ってからストーリーの展開がなぁ…」と諦めかけていた時、ようやく試合に美しい音色が聴こえてきたかのような感じ。
・第7位…「ノラと雑草」(モーニングコミックス):すべてが絶望の空気で支配されてる中で「彼女は懸命に生きている」。願わくば「生きていた」と過去形にならないように。
・第6位…「個人差あります」(モーニングKC):ジェンダーレスの世界はジェンダーの苦悩で満ち溢れていたという現代の寓話。(それにしてもモーニング本誌からの撤退は電子書籍化の流れとはいえ寂しい限り)
・第5位…「おやすみシェヘラザード」(ビックコミックススペシャル):女子高生が「バーフバリ」2部作で崇め奉り、ジョン・マルコヴィッチのスキンヘッドをこねくり回し、マルコヴィッチの"ダチ"のアレに恐れおののく眠れぬ夜の映画紹介ギャグ漫画。(今年度の隠し球作品にしたがみなさん知ってるよなぁ…)
・第4位…「ランド」(モーニングコミックス):親を襲うJK、神にならんとする村娘、そして元から歪んでいたセカイ。
・第3位…「鼻下長紳士回想録」(FEELコミックス):「私はただ無我夢中で誰かのためにかきたいの!」それは主人公であり作者であり。
・第2位…「血の轍」(ビックコミックス):母親から逃れようと発射する息子のリビドー、息子の下着を見せて服從させようとする美しすぎる母親。
・第1位…「天国大魔境」(アフタヌーンコミックス):閉ざされた安全な世界と開かれたヒルコが巣食う世界、どちらがお好き? (そして今年度の第1位は0.03秒で決着するぐらい簡単明白な選考でした。作品関係者のみなさん日本一遅いタイミングでの授賞ですがおめでとうございまぁ〜す)