私的テレビ大賞2017

 

  •  新番組賞はテレビ朝日テレビ東京の2トップが目立つ。ナスDブームを巻き起こした「陸海空」では、時間変更の荒波にバイキング西村のいいね!アースでまた新たな味付けをしてきていまだ目の離せない状態▼アップデート大学を改題した「激レアさん」は女子アナ界の超新星こと弘中アナの自由な仕切り、怒り新党「新3大」をベースにした自由な激レア人材発掘と来春以降も重要なポジションを占める▼テレ東の深夜ゲーム枠にやんちゃなアルコ&ピースをもってきた「勇者ああああ」は、途中ヤマグチクエストの小さなブレイクを果たしながらも、今現在来春以降の継続を最も願わずにはいられない▼同じく伊藤Pがこっそりプロデュースしている「30分ワンカット紀行」、秋口の120分にわたるワンカット紀行はテレ東・BS・少人数スタッフとは思えないほど贅沢な内容だった、TVerでも流れているのでお暇な方はぜひどうぞ▼最後に終わってしまったがモー娘。ヲタこと中2…いや指原莉乃のアイドル愛をさらけ出した「真夜中」もより長く見たかった。
  •  作品賞はその伊藤Pの一大プロジェクトになりつつある「池の水」シリーズ、ココリコ田中とロンブー淳と強力タッグで池の水の水を全部抜く!全部抜く!時たま巨石を打ち砕く。行政とのしくじりもあったが来年の更なる飛躍に期待▼一方ほぼノーマーク状態から這い上がった「ハイパーハードボイルドグルメリポート」(どこを切っても略称しにくい)、これが最終的な帰着点が「グルメ」なのが一番しびれる要因なのしれない。これは安易に量産せずに1年で数本出してくれれば▼今年の賞レースの中ならキングオブコントを選びたい、というよりにゃんこスターの革命だけが際立っていた私の中の藤本義一先生が囁いていたので決定。あとしつこく書くが来年こそ審査員を準決勝敗退芸人を集めての採点方式にしてほしいな▼黒背広でボディーガードっぽい姿でヤンタンのスタジオで佇む「さんタク」での木村拓哉はなんだかんだで結局カッコいいという結論になってたヤツを。そして合コン現場にとろサーモン久保田がいたってのもまた▼最後は評判がいいノーナレの「ミアタリ」を、単純にナレーションがあっても魅入られる内容だが、それを外して過多要素を徹底的に排除したのは大成功だった。
  • しみじみ攻めたなあと「全力!脱力タイムズ」から、お偉いインテリゲンチャの人はいますぐ安易に流されがちな情報・報道番組なぞ見捨てて、こちらの「報道」番組を楽しむことでフェイクの向こう側に逃げてほしいし、内心ではモンティ・パイソンを今現在この番組で見ているようだ、とささやくのが正解かも▼今年生きのいい若手芸人を見たのは正直「本能Z」だと断言しておきます。秋には「本能ザ・LIVE」が始まって、中継先はローカル色出しまくりだけど、若手とイマヒガとの絡みの場と考えれば、現にM-1勝戦でのMC今田耕司川瀬名人のあの一癖ある絡みができた要因でもあるし▼個人的には第2期は思っていたほど(主として大悟さんに)成果は多くないなぁと思うが、それでも「キングちゃん」は破天荒さは維持されていた。都丸ちゃんが叫んだ「気絶してんじゃん!」きっかけにソレを企画化したり、闇鍋状態だった「冷やし漫才王」を競技化したりと、不倫騒動がなけりゃあな~と思う3ヶ月だった。正月以降の第3期に期待!▼今一番絡ませたいロケ芸人は千鳥とサンドと華大だと思っているが、いまだ「なんしようと?」は面白いし、また若手中堅ベテラン相手に幅広い対応ができるからその結果マンネリを起こさずにずーっと面白かったりする。ただ来年は多少他事務所組を混ぜてほしいな。
  • 最後は年度代表番組。じつは直前まで「72時間ホンネテレビ」と「BSフジ11時間テレビ」という未来のテレビ界の理想と現実に絡めてひょっとしたら僅かばかりの皮肉もこめて同時授賞もあるな~と考えていたが、アイツのせいで結局またもや「水曜日のダウンタウン」を選んでしまう事態に。げに黒川と藤井Pは恐ろしや。

 

 

 

  • 不平不満はあるけれど「ゴッドタン」は川瀬名人を「イジる場」として相当助かってたなと、ここを通さずにM-1で活躍していたら「痛い」芸人として敵も相当数作っていたかもしれないが、ここで「小宮の後継者」称号を得たことで、ゆにばーすがテレビにいられるパスポートをゲットしたなあと、既に相方はらちゃんは持っていたけど▼「有田ジェネ」「チャップリン」とトリオコントの名勝負が繰り広げられ、1枠にジェラードンネルソンズトンツカタンの3組が争っていたが、結局今年あらゆる賞レースで最も優勝に近づきながら全て相手に優勝もっていかれる悲劇性が漂うネルソンズが「忘れない」意味でこの位置に。あっ、ここも当然2位です▼にゃんこスターに漂う「素人」感はテレビ界にとってありがたい存在なのだなと思ったり。実は…でもないな見ての通りの「恋人」発表とか、このネタ1本で頂点近くに行き着いてしまった地下芸人として切ない一発屋感とか、そしてそんな悲壮感はナベプロが隠蔽し続けるんだろうな感とか。だがこういう危うい存在(この場合3助が相応しい)を愛でるのがテレビっ子の宿命なので、いつかマジギライであいなに慰められてほしいです▼ブルゾンさんの「面白味」を感情的にぶっちゃけわからないまま年が暮れる。普通一般的に岡山出身の良いお嬢さんとだけしか。その分背後の「with B」ことブリリアンの2人が期待通りのポンコツぶりを発揮したおかげで今年1年あらゆる場面で助かったな~と(ブリリアン以外の異国の人Ver.はさっぱりわからないままだけど、あっ千鳥Verは別ね)▼グラビアタレント枠はたった一瞬の活躍だったけど「キングちゃん」ヤリに行くアイドル王での福間綾香さんのドキュメンタリー性が面白かった。なので直後のJリーガーとの御結婚はちょっと残念、いやヤリに行くだけだからまだまだ必要なのでまた呼んでほしいな。こんばんわ~。
  • 朝日奈央さんは「ゴッドタン」アシスタントオーディションの段階で決めていたが、それ以前のシオプロ担当番組の「死神」役とかどんな一般女子がドン引きされるべき場面でもなぜか笑いに変えてしまう稀有な人だと思う。「さんま御殿」での活躍とかでもっとゴールデン帯で使ってほしかったけど、この大活躍をしてたらわがままはいえないし、シオプロ辺りが押しに押しまくれば▼個人的には彼女の四字熟語特技はピンとこないままだが(それは有吉さんの芸人以外の毒舌あだ名にも感じているけど)、「脱力タイムズ」とかで披露されるフリースタイルで発揮される感性は相変わらず面白いままだったなあと。そしてどう考えてもローラ路線なのでいつかああなってしまうのを懸念するけど、まあ日テレに過多に比重を置かなければ何とか!▼℃-ute無期限休止以降の岡井ちゃんはフジモンの番組での「気が狂わないかぎり!」とかの愉快なしくじりはあるけど、アップフロントの貴重なひな壇枠を一年間守り抜いてたなと思う。この座はいずれアプガ(仮)の新井さん辺りが狙うだろうけど、スナック系アホ役から気の利くアシスタント方面で上手に奥様方の笑いをとってほしいな~と思いながらの位置▼悪党ばかりの「テラスハウス」界での唯一の善人であった筧美和子さんが徐々に美味しい位置に来ていた。「KAKERU TV」でのクソクイズでは井森美幸枠だし、へそピボウリングでは絶妙どころが試合をぶっ壊すほど暴れまわっていたしで、「アッパレ」水曜班でのケンコバの教育が行き届いてるなと思います▼「女」芸人枠(正直「女」を笑いの武器にできるのはヤナカナさんの技量以上かな)では千手観音かずこか今頃になってなぜか紅白歌合戦に呼ばれた森三中黒沢さん。「真夜中のワイドショー」クレイジーADもいいんだけどね~というより長らくマッコイ学校の優等生なんで、今は大苦境のマッコイ復活の時の最大の手駒になればなあと。
  • 野爆のくーちゃんと関東の「思想」王ハライチ岩井の一騎打ち状態。結局12月暴れまわっていたくーちゃんに決めたけど、自分の中ではハナ差だった。常に「時速300キロ」で突っ走るくーちゃんだったが、今の時代結構250キロぐらい走れるクリエイターも多いこと多いこと、というより届くクリエイターの位置に届いたのが今年最大の出来事なんだよな▼一方ハライチ岩井は大昔の何某の会みたいな目つきが実に「火花」芸人時代を象徴しているな~と思う。「お笑い風」自体はよく見ると実はもがきながらもほんの一掴みの笑いを得ようとする芸人たちの姿が結構多いので、青少年は額面通り受け取るのではなく、池上彰の番組で死んだ目でコメンテーター席にいる岩井さんをしっかり観察した方がいいと思うぞ▼1227黒川事変にはさすがにまいった。もしどっちかに傾けば哀れなピエロかサイコパス芸人に確定するのだが、あのレイニーブルーのせいでなんともどっち付かずの人間の業を背負った「黒川明人」人情話を長く聴かされた気がする。それでも近くにいたらすぐに笑顔のまますぐ引っ越しして絶縁するだろうけど▼もう豊本さんの「しくじり」で忘れているかと思うが、今年始めは東京03角田の泥酔ぶりが本当に酷かった。そしてそれを余すとこなく「東京03の若いコに好かれたいっ!!」という報道番組で伝えられて楽しかった。結局若いコに逃げられたので終わってしまったが。全員結婚してるからいいか▼ANZEN漫才みやぞんは「本能Z」で知った口だがあっという間に売れてしまい、「イッテQ」を見ていれば時代が求めた芸人なのだなと思う、「ウリナリ」の頃のウドちゃんもそういった感じだったけど。でも単体でなくあらぽんもしっかり呼んでANZEN漫才としてやってくれる「本能Z」とか「水曜日」は本当に信用できますね。
  • 今年の「ひよ受け」におけるイノッチと有働アナのやり取りは面白かったし、このために毎度録画予約を3分伸ばした人は多いんだろうなと(今の朝ドラ受けは聞いてる人って前朝ドラに比べ…まあいいや)。あと号泣回直後のスイカドレスはワキ汗祭りよりもより世間の話題になったら良かったのになと。あと来年どうするんですかね?▼今年の「モヤさま」「やりすぎ」3本だけで接戦までもっていった大橋未歩さんは本当に女子アナ時代の寵児だったんだなと。病気後はさすがに報道畑で(スポーツ畑では頂点となる)夕方ニュースのメインキャスターを勤めていたけど、テレビっ子はやっぱり降板後に出たバラエティーの方が求められてたし、こんな女子アナがいるテレビ東京が大好きなんだよな~、あ、大江さんがいるからまだ「過ぎ去った」とは書かないけど▼指原さんは「真夜中」一本でもいいが、正直太田プロはなんでも仕事を選ばず取ってきてる感じなんで(他が正直当てにならない、まあきたりえさんの卒業後に期待か)安定した番組MCをもう1本取れたらセーブしてほしいな、というよりアイドル業界の起爆剤の方がありがたい▼今年の新星だけどその芽は「成長マン!!」のヤリに行く感じとかで出ていたけれど、その直後に最も個性を消さないとやっていけないMステのアシスタントになってしまったのは残念だったけど、ようやく勤め上げたのか「激レアさん」という性悪ぶりを発揮できそうな居場所を見つけて、その勢いで若様のハートを射止めてほしかったけど、そっちを選ぶのか~まあガンバ▼こじるりこと小島瑠璃子さんの方は、「衆院選ライブ」リポーター(テレ東準エース女子アナの席)に収まるほど安定志向というよりS1が終わってしまったのが大変なんだなと、こないだの「ワイドナショー」を見て感じた。井森美幸の道もあと10数年ネタキャラやらなきゃたどり着かないので、行ってほしいが行かないだろうな。
  • 今年のバイきんぐはやっぱり当代一のサイコパス芸人だった西村瑞樹が番組で使いだせた事なのだろうな。サイコがサイコに操ることで定評のある「水曜日」早弁先生とか落とし穴バトルロワイアルとかがそうだし、後追いだが「陸海空」いいね!アースでリアルなんて日だ!を(相方の台詞だが)引き出したりと、少し頭のネジがゆるんでいる人々のおもちゃとして使われたのが良かったり。あ、小峠さんは「陸海空」MC良いですね▼齢70歳をむかえて色んな活動に手をつけだしたりしてるビートたけしさんは老いバラエティーの最前線に立ったなと。文字通り首相を電話一本で呼びつけても誰からも怒られない「黒幕」位置だから、「おはよう、たけしですいません」で朝から無煙ロースタートークかましても苦情はばれない程度来てないし、カスタネットおじさんやっても(博士と太田の気まずい空気を除けば)怒られてないしと、権力お笑いをかましまくって本当に羨ましい▼千鳥に関しては去年感じたその勢いのままだから改めて書くことはないが、早く「キングちゃん」を視聴率を気にしなくていい深夜時間帯で定着させてほしいのと、「イッテンモノ」ぐらいでいいので(できれば冠番組)自由闊達な遊べる番組レギュラーがくれれば今年の活躍に見合っていると思います▼アリペイも昨年MVP取っているのでバラエティー的には語ることはないが、「わにとかげぎす」ぐらい選んだ上での渋い役柄のドラマにも出てほしいと「脱力タイムズ」の茶番劇を見ながら思います▼今年のラジオ界で結局(自分の中で)トップのままだった爆笑問題。まあ30分枠だし、今更動画対決してもなと思っているし、結局番組内容も変わってしまったが、あれが月曜ネオパラ枠でワチャワチャ1時間やっていれば、少なくとも毎週欠かさず見ていただろうな「バクモン学園」。そしてジャッキーちゃんは今頃ジャッキー御殿を…(以下略)。
  • MVPは無難なところに落ち着いたが、正直9月のあの前後の段階でいつもの「綺麗な文脈」にも人を田宮二郎沖雅也かのように見立てた一部ゲスメディアにもくみさなかったが、下手すればうまく行っても「俳優」「アーティスト」の固定化になりかねない状況下で、よくぞ「バラエティーに出ているタレント」的融通がきく位置まで戻してくれた「新しい地図」の飯島取締役は本当にありがたいなと思ってますよ。「72時間ホンネテレビ」ではTLの外でクソミソ悪いこと思っていますけど。

 

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