私的テレビ大賞 2020

 

 1番乗りでゴールを決めたのは7月から独走状態に入った佐藤栞里。第2回からMCを担当する「有吉の壁」での絶大なる芸人からの支持を集めているとか、渡部の乱直後のオールナイトニッポン0で深夜ラジオリスナーに寄り添った番組作りが他を圧倒していたのはもう言わずもがなでした。▼…となると主演男性タレントも主役である広島が生んだ快男児になるのが自然の理。秋口にかまいたち霜降り明星の鍔迫り合いもあったが上位そのままだったので今回はあっさりと(ついでに裏方賞も)。▼主戦場が「そこそこチャップリン」だった錦鯉だが後半に入ると日曜22時の「有吉ぃぃeeeee!」「シンパイ賞」が取り合いになるほどの人気過熱ぶりで、その勢いのままM-1決勝を決めたとほぼ同時に新人賞が決定していた。▼前半はみちょぱ独走になりかけたが、「あたらしいテレビ」出演以降あたらしいテレビスターとして捲くってきた不破(有吉流呼び名)さん、昨年の飯の種だった海外漫遊ができない時間の全てをテレビ出演に費やしたおかげで、10月の女子メンタル勢の猛追を交わして今月半ば助演女性タレントの座にゴールを決めた。▼正直ニューヨークがM-1最終決戦に残った時点でゴールと思ったが残念ながらオズワルドと並ぶ5位、ここで大晦日までの混戦に戻りかけたが、直後1週間の間に「やりすぎ都市伝説」「芸人報道」での2人の奮闘により、ギリギリだけどなんとかゴールにたどり着いた。▼ナインティナインは岡村復帰後から漂うモヤモヤとした空気で、めちゃイケ終了しそれが各別活動も覚悟してたが、明らかな大失言、ホワイトナイト矢部の2時間大説教、そして電撃ANNリスタート、恐る恐るなリハビリ収録、そして岡村の電撃婚に至るまでずっとシンパイだからこそのほぼ大団円の証としてMVPに選ばせてもらいました。

 

 

 

 昨今の経営環境の悪化により制作資金や人数がかなり制約された中で真夜中深夜帯に20分枠を15個作り上げたテレビ朝日「バラバラ大作戦」。正直実質15分の内容なので玉石混交のかなり石寄りな印象があるが、その中での玉グループの「秋山とパン」が適度な15分かかる秋山の頭の中のパンが繰り広げられていて凄かった。▼21世紀前後の松本人志プレゼンツはある種神話であり、成否問わず信仰の対象とされ、面白メンドなイメージだった。だからこそ神話の時代が遥かとなった今だからこその「まっちゃんねる」でのドキュメンタル傍流に位置する女子メンタルという金脈と可能性を見つけた意味は重い。▼かまいたち山内の理論でいけば短い再生時間内に1動画(と動画CM)を打ち込むのが再生回数を稼ぐコツだと言われているが、ニューヨークchが仕込んだ「ザ・エレクトリカルパレーズ」は長時間、ほぼノーCM(ライブ告知時のみCM挿入)という逆境の中でも60万再生できてるのがまず凄いなと。内容は各自で見てください。▼相席食堂の小ネタ集こと青田買いSP。8月のシリーズも良かったが、1月のM-1漫才師編も良かった。これで大阪のテレビ局が新味な東京若手漫才師を呼ぶ目安になりそうな予感がする(なのでさらに頑張れ大阪ロケ芸人たち)。▼世の流行を(かなりわかりやすく)伝える「QJ」で第一特集がフワちゃん、かまいたち、そして有吉の壁だった事実は昨年の出来事を象徴しているなと思う。ぶっちゃけ高齢視聴者の草刈り場だった夜7時台がリモート勤務や自宅直帰生活スタイル、何よりTVerなどの動画配信サービスの浸透で、この時間帯でもちゃんと根付いたことは奇跡みたいな話だし、それなら「クイズ★スター名鑑」もこのご時世なら人気大爆発するんじゃないの?と爆散4年目にして思うのである。なんであれ昨年の年度代表番組は有吉の壁。